お住まいのマンションの快適な住環境を維持するためには、新築時からの経年のため、塗装面や外壁タイル面の美観上、建物コンクリートの中性化防止、また各防水材の性能維持のため、定期的な修繕工事を行い、建物の維持を行います。
修繕工事は、「新築時の元の状態に戻す」ことは重要ですが、「建物の価値向上」となるよい機会でもあります。
一般的な工事の実施内容
1.仮設工事(枠組足場)
外壁の工事のため、必要です。建物の状況により、足場を組まないでゴンドラで行う場合もあります。
2.タイル補修工事
足場の設置後に外壁面の全数の目視・打鍵調査を行い、不具合箇所(タイルの浮き剥がれ・ひび割れ・目地)の補修工事を行います。
a. タイルのひび割れ箇所
タイル下地のコンクリート・モルタルのひびの有無を確認し、ひびがある場合には、Uカット補修や樹脂注入による補修を行います。その上にタイルを張り直します。
b. タイルの浮き剥がれ(浮き)箇所
①張替工法
主にタイルとモルタル下地面で剥離がある場合には張替工法で補修します。
張替用のタイルは既存に補修用のタイルがあれば必要はありませんが、近似色のタイルを製作いたします。(近似色の既製品を使用する場合もあります)
②エポキシ樹脂注入工法
タイルと下地モルタルは密着していてコンクリートやその下地モルタルとの剥離がある場合にはエポキシ樹脂注入工法にて補修を行います。試験施工により、タイル下地の塗圧が薄い場合には、張替工法での補修となります。
c. タイル目地補修
タイル目地が経年により剥離している箇所の補修を行います。
タイル補修(張替工法)
タイル補修(エポキシ樹脂注入工法)
3.タイル薬品・高圧洗浄
経年によるタイル面の洗浄を専用の薬品や高圧水により行います。
4.下地補修工事(塗装面)
足場の設置後に外壁面の全数の目視・打鍵調査を行い、タイル面と同様に不具合箇所(ひび割れ・鉄筋爆裂破損・コンクリート欠損・モルタル浮き既存塗膜の浮き等)の補修工事を行います。
a. モルタル面のひび割れ箇所
ひび割れの大きさにより、大きなひび割れ(0.3㎜以上)はUカット補修や樹脂注入による補修を行います。小さいひび割れ(0.3㎜未満)はフィラー材等で摺り込みにより充填します。
b. モルタルの浮き剥がれ(浮き)箇所
エポキシ樹脂注入工法
モルタル下地とコンクリートの浮きがある場合にはエポキシ樹脂注入工法にて補修を行います。
c. 既存塗膜の浮き
モルタル下地と既存の塗膜に浮きや剥離がある場合には脆弱となっている箇所の塗膜を撤去し、樹脂モルタルにて平滑に補修します。目立たないよう、周辺と近似の塗装面になるよう、塗装肌に補修します。
d. コンクリート鉄筋爆裂破損・欠損
ひび割れ等により、コンクリート内に水が浸入し、内部の鉄筋の腐食による膨れが原因でコンクリートが破壊された箇所(鉄筋爆裂)や外力や経年のひび等によりコンクリートが欠けている箇所(欠損)の補修を行います。
鉄筋爆裂箇所
(錆止め→中性化防止材塗付→樹脂モルタル充填)
※大きさによりアンカーピン・SUSワイヤーにて補強します
欠損箇所
(中性化防止材塗付→樹脂モルタル充填)
バルコニー上裏脆弱塗膜箇所
(脆弱塗膜撤去→平滑化処理→塗装肌合わせ→塗装工事)
平滑化処理
肌合わせ処理
5.シーリング工事
サッシとタイルの接合部の目地や各階のコンクリートを継ぎ足した打継目地、建物伸縮・ひび割れ防止の目地にシーリング材という樹脂が施されており、経年により硬化・ひび割れが発生するため、更新を行います。
サッシ廻り施工状況
サッシ廻り施工状況(充填中)
6.防水工事
屋上・ルーフバルコニー・バルコニー・外部廊下・外部階段・各庇等の床面や立上り面に防水が施されており、調査状況に応じて更新を行います。屋上・ルーフバルコニー等は10年保証の仕様、外廊下やバルコニー床等は仕様により5年~7年保証が一般的です。
また、屋上防水は20~30年程度の長期の保証のものもあります。/p>
バルコニー防水
(塩ビシート+ウレタン塗膜防水複合防水)施工状況
屋上アスファルト防水施工状況
7.塗装工事
外壁塗装工事
既存の外壁塗装面(バルコニー・外廊下の内壁や天井(上裏面))の塗装更新を行います。既存塗装の使用材料の調査により、下塗り材等の選定が必要です。
鉄部塗装工事
各共用部の扉や外構のスチール製品の塗装更新を行います。
外廊下塗装施工状況
鉄部塗装状況
8.その他工事
サッシの外部側やバルコニー・外廊下の手摺のクリーニング工事や必要に応じて廊下面等のサッシの面格子(ルーバー)の撤去・復旧等の工事を行います。
他、建物のご使用において不具合等改善工事を行います。